子ども食堂の子どもたちが和歌山の田舎のお寺で宿泊体験

夏休みに大阪市子ども食堂を利用されている子どもたちが、和歌山県日高郡にある妙願寺で宿泊体験をしました。

この体験は、子ども食堂の運営団体である西成チャイルド・ケア・センター、寺院の活性化を支援する合同会社寺サポート、そして都市部と地方の交流を促進する株式会社ワライフの三者による取り組みです。

体験に参加したのは、幼児から高校生までの子どもや保護者、ボランティアら約30人。初日は、ヤギとのふれあい、流しそうめん、海水浴、バーベキュー、きもだめし、花火などを楽しみました。本堂や境内のテントで宿泊した夜は、みんなで夜更かししました。

2日目は、ラジオ体操、朝のおつとめ、かまどで炊いたご飯でおにぎり作り、竹の水鉄砲やスイカ割り、ピザ窯体験などをしました。地元の日曜学校の子どもたちも参加して、交流を深めました。

ボランティアとして参加した大学生は、「田舎のお寺は癒やされる」「海もきれいで風景も最高」「薪で炊くご飯の香りに両親の故郷を思い出した」「オクラやトマトなどの夏野菜がどれも新鮮で美味しかった」と喜んでいました。

子ども食堂の川辺代表は、「子どもたちの表情がいつもと違い活き活きとしていた」「みんなを連れてこられて感謝しています」と話しました。

妙願寺の楠原住職は、「過疎地の寺院活性化に希望の光を見いだせた」「地域や世代を超えたつながりに意義を感じた」「仏法に触れていただく機会にもなった」「なによりも自身が童心に帰って楽しんだ」「企業の社会貢献事業に感謝、全国の寺院に広がれば」と語りました。

この体験は、子ども食堂の子どもたちにとって、自然の中での楽しい思い出と、地域の人々との交流を深める機会となりました。また、過疎地の寺院にとっては、地域活性化の新たな可能性を示すものとなりました。

イカ割り

地域の子どもらとともにラジオ体操

流しそうめんに舌鼓み




子ども食堂の子どもたちと寺院の交流は、子どもたちの心の豊かさや地域の活性化につながる取り組みです。今後も、このような取り組みが広がっていくことを期待しています。

納骨・分骨の昨今の事情

 ずいぶんと間が空いてしまって、約1年ぶりの投稿となりました。お許しください。

 昨年9月上旬に、東京ビッグサイトで開催されたエンディング産業展を視察する機会がありました。

 エンディング産業展とは超高齢化社会や単身世帯数の増加、社会の国際化や女性の社会進出、ひいてはLGBTQなどの個性の尊重などの社会構造の変化が進む日本において、個人個人の人生のエンディングにふさわしい葬儀や埋葬、供養を消費者がサービスとして自由に選択でき、そして家屋や財産の相続など次世代にスムーズに引き継げるよう、次世代の終活産業を創り出す製品・技術・サービスを持つ企業・団体が一堂に集まり開催する、日本最大のライフエンディング業界専門展示会のことです。

 展示ブースを回って気づいたことは、金仏壇などの大型仏壇が全く見当たらない、仏壇が小型化され、おしゃれでリビングやダイニングに安置しても違和感のないものばかりが展示されていました。そもそも、昨今の新築された家屋に仏間や和室がないことで、ある意味当然のことなのでしょう。

 多種多様化される商品に驚きを禁じえない中で、興味深くも複雑な心境で各ブースを一日がかりで見学させていただき、丁寧な説明をそれぞれの会社から受けました。

 なかでも、納骨・分骨に価値観の変化が目に見えて起こってきていると感じたのです。お骨や分骨を手元供養できるカラフルで、なかには高額で豪華な骨壷を始め、分骨用のペンダントの数々、海洋散骨、樹木葬、ガーデン葬、果ては宇宙葬(遺骨の一部を収めたカプセルを専用のロケットに搭載し宇宙空間に打ち上げるプランなど)といった真新しい納骨・分骨のスタイルの提案に戸惑うばかりでした。

 つまり、葬送儀礼や納骨など個々の自由な選択といったニーズが、都市部はもとより全国的に多様化してきているということですね。多種多様な仏壇や納骨グッズなど、最近は御坊市内の仏壇屋さんでもよく目にします。

 過疎問題を考えるとき、寺院側が伝統的な納骨手段にこだわるあまり、ご門徒の自由な選択肢が狭められるといった弊害が今後出てくるように思われます。それによって、お互いの距離が益々拡大し、離檀などといった寺院運営を枯渇させる要因が起こらなければよいのですが。

 あなた自身はどういった納骨・分骨をお考えでしょうか?